米海兵隊は数十年ぶりの全面的な組織再編を進めている。中東の過激派武装勢力との戦いに集中するこれまでの姿勢から方向転換し、西太平洋の島から島へと移動し、中国艦隊を封じ込める能力を高めることに力点を置く。海兵隊を改革する10カ年計画は今週発表される予定。何年も極秘で行われたウォーゲーム(軍事作戦の実戦シミュレーション)を通じ、中国のミサイルや海軍力が太平洋地域での米軍の優位性を脅かしつつあると判明したことが背景にある。「軍事力の観点で言うと、中国の脅威は着実に増している」。海兵隊総司令官のデビッド・バーガー大将はインタビューでこう語った。「もし何もしなければ、われわれは追い抜かれるだろう」海軍遠征部隊としての自らの役割を予算の枠内で再構築するため、海兵隊は保有する戦車を全て処分し、軍用機を削減し、隊員総数18万9000人から17万人程度に縮小すると同氏は述べた。