2020年東京五輪の延期決定は、米ケーブルテレビ(CATV)大手コムキャストやメディア大手ディスカバリーに多大な影響をもたらす見通しだ。巨額の広告収入が奪われるほか、東京五輪を起爆剤にすることを期待していた他の事業についても、目算が狂うことになりかねない。
米国での五輪放映権を持つコムキャスト傘下のNBCユニバーサル(NBCU)は、7月に予定されていた東京五輪向けに13億ドル(約1450億円)近い広告枠を販売したと明らかにしていた。広告業界の関係者によると、延期になったことで、NBCUは広告主と再交渉を余儀なくされる可能性が高い。
ある業界関係者は「NBCUは単純に、20年の広告出稿予定をすべて21年に移行できると想定することはできない」と明かす。