“コロナ”のせいにした月例景気判断「死んだふり作戦」はうまくいくかPhoto:PIXTA

大幅下方修正の月例報告だが
「景気後退」示す文言はない

 3月の月例経済報告では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」という景気判断が行われた。

「回復」という表現を外したうえで、「厳しい状況にある」という表現を使っており、一見したところは景気判断を大幅に下方修正したように見えるが、景気後退を示す表現は明確には使われていない。

 下方修正の理由を新型コロナウイルス感染症の影響だけに限定しているのも、乱暴な判断で、しっくりこない。

 今回の景気判断を深読みしてみると、政府の意図は景気の一時的な落ち込みは認めるものの、大型経済対策で「V字回復」を実現させ、これまで通りの「景気拡大」維持を狙う「死んだふり作戦」にあるのではないか。