中国Photo:Reuters

 中国では新型コロナウイルス流行の影響で個人向け融資の返済滞納が増えており、国内の与信が数十年ぶりに縮小する可能性が高まっている。

 一部の中国の銀行とオンライン融資プラットフォームの経営幹部はここ数週間、クレジットカードや融資の返済が遅れる消費者が増えていると述べている。滞納は今後何カ月かのうちに雪だるま式に膨れ上がり、債務不履行の増加につながる恐れがある。このため一部の貸し手は、当局が経済全般にわたる信用供与の維持を要請しているにもかかわらず、新規融資を減らしている。

 こうした状況は、米国の銀行やネット融資業者が数カ月後に直面しうる状況を示している。米国では何百万人もの人々が自宅に閉じこもり、収入減に苦しんでいる。

 招商銀行の田惠宇頭取は先月、決算発表時の電話会見で「個人の融資返済の意欲と能力がともに低下している」と語った。同行のクレジットカード発行枚数は中国で最大級で、小口金融事業の規模も大きい。