ソフトバンクグループは13日、10兆円規模のファンド「ビジョン・ファンド」の投資損失が2020年3月期に1兆8000億円に達する見通しを明らかにした。市場環境の悪化が原因という。ファンドの損失が響き、同期の営業損益は1兆3500億円の赤字、純損益は7500億円の赤字になったとみられる。最終的な数字は変わる可能性があるとしている。ソフトバンクは近年、事業の軸足を本業の通信からテクノロジー分野の新興企業への投資へと移しており、それに伴い大きなリスクを取る姿勢を強めていた。17年に立ち上げたビジョン・ファンドはこの戦略の柱となっている。ビジョン・ファンドは米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズや米シェアオフィス大手ウィーワークといった注目企業に資金をつぎ込んできたが、こうした投資の一部が裏目に出て、ここ数カ月で巨額の減損処理を迫られていた。