新型コロナウイルス危機にあっても、金融業界はこれまでのところそれほど業績の悪化をみていない。米金融大手の今年第1四半期(1‐3月期)の業績には、資本市場部門が大きく貢献した。これは、今後予想されるデフォルトの影響に対してクッションの役割を果たしている。ただ、今後は貸倒引当金の必要額が膨らむと見込まれるため、同部門の好調の持続が極めて重要になりそうだ。注目すべき数字は、中核の業績を示す貸倒引当金計上前の収入・利益だ。これらの数字は、金融機関が貸倒損失の会計処理に備えてどのくらい手元に収益をとどめ、その金融機関の帳簿上の資産価値と資本を守ることができるか、という能力の目安となる。例えばバンク・オブ・アメリカの場合、1‐3月期の税引き前・引当金計上前利益は前年同期比5%減にとどまっているが、純利益は45%減だった。
米金融大手への追い風、いつまで続くか
投資銀行部門の活況は長続きしそうにない
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