【ソウル】過去70年間にわたり、北朝鮮の金(キム)一族は、1つの奇異な思想によって権力を維持してきた。その思想とは、至上のリーダー以外はだれも北朝鮮を支配できないというものだ。  そして彼らは、その指導者は金一族でなければならないと主張する。これは、飢饉(ききん)や経済的苦難、広範な人権侵害にさいなまれてきた北朝鮮において、国民の忠誠を保証し、一族支配を続けるための方法だ。「白頭山(ペクトゥサン)血統」を持つ者、つまり北朝鮮の建国者である金日成(キム・イルソン)氏と直接の血のつながりがある者だけが、正統な後継者とみなされるのだ。