過去70年間にわたり、北朝鮮の金(キム)一族は、1つの奇異な思想によって権力を維持してきた。その思想とは、至上のリーダー以外はだれも北朝鮮を支配できないというものだ。そして彼らは、その指導者は金一族でなければならないと主張する。これは、飢饉(ききん)や経済的苦難、広範な人権侵害にさいなまれてきた北朝鮮において、国民の忠誠を保証し、一族支配を続けるための方法だ。「白頭山(ペクトゥサン)血統」を持つ者、つまり北朝鮮の建国者である金日成(キム・イルソン)氏と直接の血のつながりがある者だけが、正統な後継者とみなされるのだ。しかし現在、この図式が弱点になっているかもしれない。北朝鮮の第3世代の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(36)が姿を消したことが注目され、国内では禁句も同然のことに関する新たな論争が起きている。それは、誰が金正恩氏の後を継ぐのかという論争だ。
金正恩氏の後継者、「白頭の血統」から
金王朝を継ぐトップ候補は妹の与正氏か、最高指導者の健康不安説広がるなか
有料会員限定
あなたにおすすめ