米中関係には長年にわたり緊張が伴ってきたが、ここ数カ月で急速に悪化し、両国の共通利益が減る一方、対立の種が増えている。トランプ政権は米政府機関の大半を巻き込み、刑事捜査や起訴、輸出規制といった対中作戦を展開している。各省の長官や閣僚級の高官ほぼ全てが、中国政府に対して敵対的に構えたり、過去の協力プログラムを破棄したりしていることが、政策分析で明らかになった。これに対し中国当局者は、自国の台頭を阻むあらゆるものに抵抗するとの、習近平国家主席の昨秋の呼び掛けに通りに動いている。領有権争いの激しい南シナ海で軍事活動を活発化させ、米国の友好国である台湾に対する圧力を強めたほか、国営メディアはマイク・ポンペオ国務長官に対する異例の批判を繰り広げている。