箱売りを始めた都内のあるコンビニ箱売りを始めた都内のあるコンビニ(撮影・高鍬真之)

高値バブルがはじけ、コンビニなどにも出始めたマスク。なかでも、今最も大量にマスクが売られているという「4大マスクスポット」と呼ばれる地域では、値段もさることながら、質も選べる状況になりつつある。こうなると、466億円かけていまだに行き渡らないアベノマスクは、もはや血税を浪費するだけでは? 最新のマスク事情を追った。

「うちですら、中国産だけでも段ボールで500箱以上、枚数にすると180万枚ほどの在庫を抱えています。これからは、シャープ、アイリスオーヤマなど日本産のマスクもどんどん出回ります。お客さんは多少高くてもそちらを欲しがるでしょう。中国産が千円台半ばまで下落するのは時間の問題です」

 こう話すのは、東京都新宿区のJR新大久保駅周辺の複数の韓国系ショップにマスクを納品している雑貨問屋のNさん。中国産はすでに大量に市中に出回り、安くしないと売れない段階に入ってきているという。

 大型連休(GW)の5月4日、駅周辺の様子を見に行くと、大久保通り沿いの韓国コスメ店では、4月に50枚入り1箱3800円(値段は以下、すべて税込み)だった三層構造・不織布使用の中国製マスクが、2790円と約3割も値下がりしていた。

 近くの通称・イスラム通りへ行くと、ある店では同じような商品が1箱2400円に。透明のポリ袋に入れただけのバルク品は2200円だった。パキスタン人の店員に話を聞くと、

「これは知り合いの中国人バイヤーが持ってきた中国製です。ここまで値段を下げないと、もう誰も買ってくれない」

 と日本語で説明してくれた。

 4月との違いは価格だけではない。マスクの箱の文字は、英語から日本語表記のものが主流になっていた。