かつての家電量販店最大手、そして元祖“安売り”のコジマが、復活を期して、経営改革に乗り出した。期待の市場は法人向けとオール電化。この2つの分野で既存店売上高の1割アップを目指すと同社の小島社長は宣言する。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 片田江康男)

コジマ 小島章利社長
コジマ 小島章利社長         Photo by T.Fukumoto

――上場している大手家電量販店の中で唯一の減収減益だった。原因はどこにあると考えているか。

 薄型テレビで言えば、(前回の)ワールドカップの反動があった。また、昨年の冬商戦で原油価格の高騰から石油暖房器具の売れ行きが伸びなかったことも大きかった。さらに、サブプライムローンによる株価下落が消費マインドを冷やした影響もあっただろう。この影響は昨年11月ごろから続いている。

 特に住宅着工件数の減少の影響は大きい。(住宅着工件数)1件につき50万円前後の家電の購買があるという試算をもとに考えると、約20万件の減少で1000億円の需要減だ。

――コジマ特有の問題はないのか。

 前期は新規出店のペースを上げ、20店舗をオープンした。しかし、社員育成が出店スピードに追いつかなかった。人員のバッファも持っていなかったため、結果的に社員の能力が薄まってしまった。

 今期は見直して11店舗出店する計画だ。来期以降の安定した成長もにらんで24店の改装を計画している。店舗一つひとつの力を強くしていきたい。既存店の活性化が今期の重点課題だ。出店候補地はすでに決まっており、実際に確保してある。

――前期の既存店売上高は前年比92.9%だった。今期の計画も96.1%だ。マイナス基調は今後も続くのか。

 前年度は下期の落ち込みが予想以上だった。今期はそれ以上悪くなることはないと思っている。今年度上期は引き続き住宅着工(件数減少)の影響が尾を引くが、下期には回復するとみている。下期は100%を割らせないつもりだ。