新型コロナウイルスの感染拡大を機に、皮膚の温度が上昇した人を識別する赤外線カメラに注文が殺到している。こうした機器のメーカーはサプライチェーンを増強し、さまざまな企業の要請に応えるべく製品ラインアップを見直している。需要の第1波が起きたのは主に工場や医療関係の会社からだったとメーカーは話す。それ以降、企業や政府がエンターテインメントや運動競技、運輸、教育などもコロナの影響が大きいと考え始めたことで需要が急拡大した。これまで皮膚をチェックして体温を推測するスキャナーは、赤外線市場のごく一部を占めていた。熱探知画像を手がける会社の多くは、水漏れや侵入者の検知といった他の用途に注力していた。だが新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で赤外線カメラが人気となり、優先順位が一変。供給が追いつかず、競争も激化した。