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「リモート会議で、画面越しの相手が無反応で不安になる」「要件を伝えたはずが、何度も確認のためのやりとりが続き、効率が悪い」こうした悩みがあるとしたら、もしかすると“説明力”が足りていないからかもしれません。『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』の著者・犬塚壮志氏は、「説明のうまさとはペラペラと流暢に話すことではないし、“説明力”は才能ではなく、努力で高められる」と指摘します。どうやったら相手に伝わる説明ができるのか?説明のプロである犬塚氏が、自身の経験を踏まえて解説します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

なぜ今、「説明力」がないと損をするのか?

 「リモート会議で、画面越しの相手が無反応で不安になる」
 「チャットで要件を伝えたつもりなのに、何度も確認のラリーが続く」
 「『タイパ(タイムパフォーマンス)』を気にする若手社員に、話が長いと嫌がられる」

 今、ビジネスの現場では「説明力」の格差が残酷なまでに広がっています。対面であれば雰囲気や表情で補完できたコミュニケーションも、オンラインやテキスト中心のやり取りでは通用しません。さらに、情報のスピードが加速する現代において、「わかりにくい説明」はそれだけで相手の時間を奪う「罪」とさえ見なされてしまうのです。

 しかし、多くの人が勘違いしています。「説明がうまい人」とは、立て板に水のように流暢に話せる人のことだ、と。

 そう思い込んでいるからこそ、説明が苦手な人は「噛まずに話さなきゃ」「沈黙を作っちゃいけない」と焦り、マニュアル通りの言葉を並べ立ててしまいます。結果、相手の頭の中には何も残らない。

 実は、「説明がうまい」ことと「流暢に話せる」ことは、まったく別のスキルです。

 私がこれまで見てきた「本当に説明がうまい人」は、決してマシンガントークではありません。むしろ、言葉数は少なくても、相手の頭の中に鮮明なイメージ(地図)を描くことができる人たちです。

 この違いは、トークの才能ではありません。話す前に「頭の中に何をおいているか」。そのたった一つの意識の差が、決定的な違いを生んでいるのです。