世界でも特に来訪者が多いイタリアの美術館がようやく再開にこぎ着けた。だが、観光客の人波にもまれることなく世界の至宝を鑑賞できる千載一遇のチャンスをつかめるのは、ごく少数の幸運な人々だけだ。欧州への渡航制限が続き、観光客も旅行に及び腰な中、美術館の責任者は今後何カ月かそれ以上にわたり、来館するのはぽつぽつと訪れる地元住民だろうと予想している。イタリアの多くの人気観光地はここ数年、ひたすら増え続ける旅行客に悩まされていたが、流れは急激に反転した。フィレンツェのウフィツィ美術館はその典型例だ。ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチ、サンドロ・ボッティチェリなどの巨匠の作品が展示され、昨年は450万人が来館した。同美術館は21日、6月3日に再開すると発表した。