米シェール業者は米国を世界最大の産油国に押し上げてきた。今年に入り米国の石油生産量は日量1300万バレルを突破していたが、そこまでの高水準に回復するのは(回復すればの話だが)、何年も先になるだろう――。石油・ガス会社の幹部や専門家らは今、こうした見方を示している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、シェール企業は淘汰(とうた)されるとみられており、生き残った企業は規模の縮小とスリム化を進め、採算を度外視した成長の追求はもはやできなくなるはずだという。シェール企業は米国の石油生産の復興を主導し、過去10年で産油量を倍以上に引き上げてきた。米国はその結果、サウジアラビアやロシアを抜き、エネルギー地政学と国際市場において、その存在は一気に重要性を増した。
米シェールブーム復活遠く、コロナが迫る経営変革
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