景気回復に関して言えば、新型コロナウイルスが社会にとって最大の敵であることに変わりはない。しかし新型ウイルスと同じくらい油断がならない敵もいる。不確実性のことである。最近、企業のリーダーの話を聞くと、特定の政策や公衆衛生上の指示と同じくらい、単なる不確実性が経済の足を引っ張っていることが分かる。彼らが口にするのはこんな疑問だ。消費者は自由に外に出られるようになったとしても、あえて外に出るつもりはあるのか。大企業は州や自治体で異なる経済再開の計画や政策の間でどう動いていくか。労働者も消費者も自信をもって通常の生活に戻れるように、公共交通機関の安全をどう確保するか。ノーベル賞受賞者である経済学者のポール・ローマー氏は単純にこう表現している。「不確実性は非常に大きな問題だ」