香港の「一国二制度」がなくなる可能性
このままでは香港の「一国二制度」がなくなる可能性も Photo by Konatsu Himeda

5月28日、中国北京で開催されている全国人民代表大会は、中国主導で制定される香港国家安全法の方針を採択した。反独立、反転覆、反干渉、反テロなど、反体制活動を禁じる香港国家安全法の草案は、香港立法会の手続きを経ず、中国による頭越しの施行が見込まれている。(ジャーナリスト 姫田小夏)

 昨年から香港では、暴徒化したデモ隊による活動がエスカレートしていた。地下鉄などの公共インフラや店舗を破壊し火をつけたほか、大学内に立てこもり武器を製造するなどした。異なる意見を持つ香港市民を襲うという事件も相次ぎ、57歳の男性の体に火をつけやけどを負わせるといった痛ましい事件もあった。

 しかし、香港にはこうした行為を取り締まる法律がない。香港基本法23条は、「香港特別行政区は、国家に対する反逆や分裂、反乱の先扇動、転覆や外国の政治組織や団体による政治活動を禁止することについて自ら制定しなければならない」と定めているが、香港市民の反対で今なお実現には至っていないためだ。

「香港独立」「革命」の文字
「香港独立」「革命」の文字が今も残る Photo by K.H.