中国の指導者は今年の正式な経済成長目標を放棄することで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のなか世界の不透明性が続いているとの認識を示している。しかしこの動きは、中国政府当局者にとって、政策決定を長らく補強してきた主要指標の終わりの始まりになる可能性もある。中国政府は数十年にわたり具体的なペースの経済拡大の実現に固執していたが、これを他の目標に移行する速度を速めており、世界経済はその影響を肌で感じることになりそうだ。この移行は世界のサービスや製品、天然資源に対する中国の需要を押し下げるだろう。李克強首相は5月、中国が今年の成長目標を掲げない方針を示した。過去25年の猛烈な成長の過程で(8年間の2桁成長と昨年の6.1%成長を含む)、国内総生産(GDP)の年間目標は中国政府と国民の暗黙の交渉――一層の繁栄と引き換えに多くの政治的・社会的な事柄には従う――を明確に打ち出す役割を果たしてきた。
GDP目標を避けた中国、国内外への影響は
世界のサービスや製品、天然資源に対する中国の需要が減る可能性も
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