この2カ月間に学校を再開した国々で、新型コロナウイルスの感染率が上昇したという報告は聞かれない。子どもたちをいつどのように安全に教室に戻すべきかを思案する世界中の当局者にとって、これは心強い兆候だ。イタリアや米国のように新型コロナウイルス感染症の被害が深刻な多くの国々では、感染増加の引き金になることを恐れ、当局が学校再開に慎重な態度を取ってきた。米国では学校側が9月に再開する案を検討している。研究者や欧州当局者によると、再開した小学校では今のところ目立った感染クラスターが発生していない。子どもは新型コロナを社会に広げる重要な「スプレッダー」ではないことをうかがわせるという。冬の寒冷な気候が始まれば、この状況が変わる可能性があると彼らも認めている。またイスラエルの都市エルサレムの高校でこのところ感染が判明した生徒や職員が急増。10代の若者や成人のリスクが高いことを改めて印象づけた。