新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に関する大規模な研究を5月発表した3人の執筆者が、抗マラリア薬は効果がなく、心疾患や死亡のリスクが増すと指摘した研究論文を取り下げた。論文の著者らは4日、医学専門誌ランセットを通した発表文で、撤回を決めたことを明らかにした。研究結果を巡り外部研究者から懸念の声が上がっていたが、研究用データを提供した米サージスフィアが審査の一環として完全かつ詳細なデータを共有することを拒んだという。この研究論文は5月22日にランセットに掲載された。著者は「われわれは常に、倫理・職業上の最も高度な指針に沿って研究を行っている」とし、「研究者として、われわれの高い基準を順守するデータソースに頼ることを厳格に堅持する責任を片時も忘れることはない。今回の展開に基づけば、もはや1次データソースの正確性を保証することはできない」と述べた。
抗マラリア薬、危険性指摘した研究撤回 新型コロナ治療
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