新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの経済回復の行方を占う上で、一部では直近の疫病事例に目を向ける動きが出ている。2003年の香港だ。当時の香港は、同じコロナウイルスを由来とする重症急性呼吸器症候群(SARS)によって経済が大きな打撃を受けたが、1年足らずで目を見張る復活を遂げた。感染はその年の初頭に拡大し始めたが、5月までには香港経済は、現在のように再始動していた。回復のスピードはあまりに速く、最初の患者が入院してから8カ月後には、香港でローリングストーンズやプリンス、ニール・ヤングといった大物アーティストが出演する1億ドル(約107億円)規模のコンサートシリーズが開催されたほどだ。
新型コロナとSARSの違い、景気V字回復は期待薄
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