あまり知られていないが、6月18日は「海外移住の日」だ。多くの日本人がブラジルに移住し始めたのは100年以上昔の話。いまや日本人の移住先で人気のアジア各地には日本人社会が形成され、仕事の選択肢はさまざまだし、想像以上に快適に暮らすことが可能だ。『海外暮らし最強ナビ』(辰巳出版)の著者である室橋裕和氏が、アジア移住の最新事情について解説する。(ライター 室橋裕和)
日本人の海外求人は
アジアが7割
1908(明治41)年6月18日。神戸を出港した貨客船「笠戸丸」は、およそ2カ月をかけてブラジルに到着した。サンパウロ近くの港町サントスに着岸すると、781人の日本人が南米大陸の地を踏んだ。彼らはブラジルの荒野を開墾すべく、はるばる海を越えてきた、第1回のブラジル移民だった。この日を記念して、6月18日は「海外移住の日」と定められている。
「笠戸丸」からおよそ100年。いま海外に住む日本人は140万人に及ぶ。
南米移民たちはそれこそ人生をかけて、二度と祖国には戻れない覚悟で旅立っていったというが、現在の海外移住はだいぶ挑戦しやすくなった。
海外移住で特に人気が高いのは、タイを中心としたアジア諸国だろう。