欧州諸国は、新型コロナウイルスが上陸した当初、感染の特定・封じ込めで完全に後手に回ってしまった。だが足元では、状況の改善を受けて、政府関係者や専門家が今春のような深刻な危機に再び陥ることはないとの自信を深めている。欧州諸国がロックダウン(都市封鎖)の解除に着手してから1カ月余り。ドイツの食肉加工工場など、新たなクラスター(感染者集団)発生に対する懸念はくすぶっているものの、大半の国々において新規感染者数は引き続き減少している。たとえ感染第2波に見舞われたとしても、第1波ほどは悪化しないとの楽観的な見方も出てきた。欧州諸国の多くは、ロックダウン期間に「検査、接触追跡、隔離」という新たなシステムを構築した。市民の間でも、ソーシャルディスタンス(対人距離の確保)やマスク着用といった予防策が日常生活の一部として定着した。
コロナ「旧震源地」欧州が優等生に? 米と明暗
国民が過度に警戒を緩めなければ第2波は回避できるとの楽観論さえ出ている
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