6月は米国の雇用回復が続いたが、新型コロナウイルスの新規感染者も増加した。ここに回復が腰折れする危険が潜んでいる。さらに悪いのは、このところの雇用回復と新型コロナの再流行が無関係ではないかもしれない点だ。米労働省が2日発表した雇用統計によると、6月の非農業部門就業者数は480万人増と、前月の270万人増からさらに伸びた。失業率は11.1%へと、5月の13.3%、4月の14.7%から改善した。それでも2月に比べると就業者数は1470万人少なく、雇用市場には深い穴が開いたままだ。ただ雇用統計の内容はエコノミストの予想より好調だった。労働省が雇用統計をまとめる際に、当月12日が含まれる週のデータを利用することに留意するのが大切だろう。この月半ばの週以来で、雇用情勢は暗さを増した。同省がこの日、別途発表した6月27日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比わずか5万5000件減の143万件で、エコノミスト予想を大きく上回った。さらに、スケジュール管理ソフトを手掛けるホームベース社のデータによれば、7月1日までの週に飲食店や小売店など小規模事業者に雇用されている時給制従業員の数も前週より小幅に減少した。