【一発アウト】税務署はなぜ「知っていても聞く」のか…税務調査で嘘をつくとどうなる?
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。

【一発アウト】税務署はなぜ「知っていても聞く」のか…税務調査で嘘をつくとどうなる?Photo: Adobe Stock

税務署はなぜ「知っていても聞く」のか…税務調査で嘘をつく代償

 本日は「相続と税務調査」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。

 相続税の税務調査では、「これって税金に関係あるの?」と疑問に思ってしまうような質問をたくさんされます。その質問について深掘りしていきます。

調査官は、既に知っていることも質問する

 事前に調べていて調査官が知っていることでも、知らないふりをして質問してきます。これは、調査を受けている相続人が嘘をつく人なのかどうかを調べるために行います。調査官に嘘をつくような人には、重加算税という非常に重いペナルティが科されるので、そういったことは絶対にしないようにしましょう。

 国は、みなさんが大体どのくらいの財産を所有しているかを把握しています。国税庁には国税総合管理(KSK)システムという巨大なデータベースがあり、全国民の毎年の確定申告(サラリーマンの場合は給与の源泉徴収票)の情報や、過去にどのくらいの遺産を相続したかといった情報が集約されています。つまり、みなさんの財産は、かなりの程度まで把握されているということです。

 その情報をもとに、「この人はこれくらいの財産を持っているだろう」という理論値が計算されます。税務調査に選ばれるのは、KSKシステムが弾き出した理論値と、実際に申告した遺産額に大きな乖離がある方です。つまり、税務署は「怪しい」「おかしい」と、ある程度確信を持って調査に来るわけです。

 私がみなさんに強くお伝えしたいのは、税務署の影に怯えながら故意に違法なことをするのではなく、合法的な相続税対策をしたほうがいいということです。そして、税務調査では嘘をつかず、誠実に対応したほうが、結果として良い方向に進みやすいということです。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)