「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」……。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。

「そりゃ話せるようになるわ…」言語化力が高い子に共通する目からウロコの幼児体験Photo: Adobe Stock

「言語化力」を伸ばすのは、勉強よりも遊び

 子どもの言語化力を伸ばそうとすると、多くの大人は「勉強」をさせようとします。漢字ドリルをやらせたり、作文を書かせたり、説明の練習をさせたり。

 しかし実は、言語化力を伸ばすうえでより効果的なのは「遊び」です。

 大きな理由のひとつは、言葉の多くは、コミュニケーションの場面で生まれるからです。

 子どもは遊びの中で「これ貸して」「次どうする?」「それ、おもしろいね」など、自然なやり取りをくり返します。遊びは、言葉や表現を実際に使う「言語の実験場」なのです。

 また、遊びは「意味のある文脈」を生みます。

 勉強では言葉は問題として出てきますが、遊びでは言葉が行動と結びつきます。

 たとえばブロック遊びでは、「ここに置いて」「高くなった」「倒れそう」「右から2番目のブロックを外して」といった言葉が自然に出てきます。ごっこ遊びでも、自分たちが設定した状況のなかで「いらっしゃいませ」「◯◯と△△をください」「いくらですか?」「お釣りは◯円です」といった言葉が生まれます。

「ごっこ遊び」を通じて行われるコミュニケーションは、子どもの言語化力を伸ばす絶好の機会なのです。

 さらに、遊びは子どもの主体性を引き出します。

 遊びの中で子どもは、状況を生み出し、ルールを考え、情報を共有し、話し合いや説明、交渉、駆け引きなどを行います。その過程で思考を動かし、たくさんの言葉を使います。

 つまらなければ、自分たちで改善し、おもしろい遊びへとアップデートしていきます。

 遊びを取り入れた学習は、言語を使って実社会を生きる素地づくりにもなっているのです。

言語化力は「使いながら育てていくもの」

 言語化力は、「学んで覚えるもの」というより、「使いながら育てていくもの」です。

 人と関わり、遊び、試行錯誤しながら、少しずつ身につけていくものです。したがって、子どもの言語化力を伸ばしたいなら、勉強の時間だけでなく、遊びの時間を豊かにすることが大切です。

 大人が意識したいのは、難しい教材を与えることではありません。言葉が自然に生まれる「遊びの場」をつくることです。遊びと言葉が結びついたとき、子どもの言語化力はぐんぐん伸びていきます。

 拙著『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』では、親御さんやお友達と遊ぶだけで「言語化力」が身につくゲームを多数紹介しています。

 *本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。