米グーグル傘下の企業である利点とは、高価な夢を追いかける資金がたっぷりあることだ。だがハイテク業界きっての資金力にも限界はあるようだ。グーグルの親会社アルファベットが所有する動画共有サイト「ユーチューブ」は1日、従来型のケーブルテレビ(CATV)と競合するテレビサービス「ユーチューブTV」の値上げを発表した。これにより、視聴料はこれまでの月額49.99ドルから64.99ドル(約7000円)に引き上げられた。2017年のサービス開始以来、毎年のように値上げしてきたが、今回はこれまでで最大の30%の値上げ率となった。ユーチューブはグーグルと同じく、売上高の大半を広告に頼る。ただ、ユーザーが制作した動画の無料配信に長らく注力してきた事業の中で、プレミアム顧客層の開拓にも取り組んでいる。そうした取り組みはいくらかの成功を収めてきた。アルファベットは2月、10-12月期(第4四半期)決算発表に伴う電話会見で、2019年末時点のユーチューブ音楽配信の登録者数は2000万人超、TV登録者数は200万人に達したと述べた。これに基づく見込みベースでは、ユーチューブの登録制サービスとその他の非広告収入が年間30億ドルになるという。