米国の大学は今秋、外国人学生が急減することで受ける壊滅的影響に備えている。特に中国からの留学生が減少することが予想される。中国では米国進学を目指す者の多くが計画を延期し、米国の学位が持つ価値についてすら再検討を行っている。
新型コロナウイルスを巡る懸念から、広範な移動制限やビザ(査証)発給手続きの遅れが生じており、秋学期の開始までに問題が解決する見込みは低い。それに加え、米中関係の悪化が、留学生の中で飛び抜けた最大勢力である中国勢の脅威となっている。
中国東部・無錫市に住むアイリス・チョウさん(18)は、ウィスコンシン大学マディソン校に新年度の入学を許可された。だが5月に申請したビザが発給されるのは早くて11月だという。
「ビザが手に入るなら、絶対に行きたい」と彼女は言う。だが多くの授業が遠隔で行われるとすれば、完全には大学を体験できないのではと不安を訴える。同校はウェブサイト上で、大人数の講義はオンラインで行い、少人数のクラスは対面式で指導すると説明している。大学側はそれ以上のコメントを控えるとした。
移民税関捜査局(ICE)が6日に発表した新方針は、チョウさんや他の外国人留学生を挫折させる可能性がある。