中国人スパイの英語教師を務めた経歴のあるニュージーランド議会の楊健(ヤン・ジャン)議員が再選を目指さない考えを明らかにした。楊氏は中国出身で、ニュージーランドの国民党には9年間所属している。中国政府が香港国家安全維持法を施行したことを受け、対中政策の再考に動く国が増えている。ニュージーランドは9日、犯罪人引き渡し条約や戦略物資の輸出管理などを含め、香港との関係を見直すことを明らかにした。同国カンタベリー大学の政治学教授で中国問題に詳しいアンマリー・ブレイディ氏は楊氏を「国家的・国際的スキャンダル」「政治的な重荷」と形容し「国民党の現在の指導部がもはや無視できない」存在になったと指摘した。楊氏は2017年、ニュージーランド市民権申請の際に、中国共産党との過去のつながりや中国でスパイに英語を教えた経歴などを申告しなかったことを認めている。