新型コロナウイルスでさえも、世界最大の資産バブルの膨張を止めることはできなかった。中国のいくつかの巨大都市で起きていた不動産バブルは持続不可能だと多くの人々がみていた。だが、このバブルは2月にコロナ禍によるロックダウン(都市封鎖)で短期間休止状態となった後、すさまじい勢いで拡大を再開した。不動産価格は上昇し、投資家たちは、何百万もの人々が職を失うなどさまざまな経済問題があるにもかかわらず、先を争うように購入契約を結んでいる。3月には、深圳の新たな不動産開発プロジェクトのオンライン販売で、288戸のマンションが8分未満で売り切れた。その数日後には、蘇州の新たな複合住宅プロジェクトで、400戸以上の販売契約が結ばれた。ある推計によると、上海のアパート転売件数は4月に過去最高に近い水準となった。6月のある土曜日には、深圳のある開発プロジェクトでアパート購入の資格を得るために、9000人近い人々がそれぞれ100万元(約1500万円)の手付金を払った。