日々の業務で、1on1(定期的な上司と部下による1対1の面談)や年度末などの面談など、さまざまな場面で行うフィードバック(部下に対するアドバイスやサポート)。しかし、その手法について学ぶ機会はあまりなく、苦手意識を持っているリーダーも多いのではないだろうか。マッキンゼーでキャリアをスタートさせて現在に至る筆者が、フィードバックの手法の基本を紹介する。(経営/組織再編コンサルタント・企業投資家 服部周作)
フィードバックの質を決める
第一ステップ「観察」
普段我々は「フィードバックをやるぞ」と念頭に置いて仕事をしていませんし、必死にフィードバックのネタをかき集めるために走り回ったりはしません。
フィードバックというのは相手との仕事の営みの中で自然に出来上がるものと言えるでしょう。要は観察力が試されているのです。
そして、フィードバックが上手な人は、部下と仕事をしていく上で、足りない部分と伸ばせる部分、両方に対する「気づき」もまた他の人より数倍多いです。
ただ、この観察力だけで「フィードバックの達人」という結論には至らず、その後に続く、リスニング、コミュニケーション、アクション強化などが絡んできます。