場合によっては、非常に重くネガティブな内容を伝えなくてはならないこともあるので、逆ギレされたり、泣き出されたり、ということもありえます。

 端的に、一言一句を意識して正確に伝える努力が必要になるのです。

あくまでも
「ファクトベース」で話す

 事実に基づくフィードバックというのは「相手の考えを先読みしない」という点に尽きます。

 例えば、「話すのが雑」や「作業が雑」というのも、事実に基づいているのですが、さらに一歩踏み込んだ形で「雑」とは、どこを指しているのかの説明を初めにすることです。

 私も“驚きを隠せないフィードバック”をもらったことがたくさんありますが、コンサルティングファーム特有のこの事実からぶれない「ファクトベース」という特性に救われた(笑)ことが多々あります。

 例えば、あるプロジェクトで、当時の上司から「文書ファイルの余計なデータは消さないといけない。このように、しっかりと完璧に見せるのが重要だ」と言われました。

 上司は非常にキメ細かな人でした。フィードバックの内容は「アウトプットをデジタルだろうが、ハードコピーだろうが、完璧にすること」でもよかったのですが、それだと私に反論の余地を与えるので、しっかりと具体的に教えてくれました。

 ただ、にわかには信じ難かったのですが、上司が指摘した“余計なデータ”というのは実はパワーポイントを実際に開かないと「表示されないテキストボックス」のことでした。それも小サイズで、ページの隅っこに隠れる形で置かれたものです。

「これが彼の求める完璧の定義か」と、そのとき私は学びました。ファクトベースで説明されたことで、単なる小言や価値観の押しつけでなく、「彼が本気だ」ということが伝わってきたのです。

 この「ファクトベースで話す」というのは、「客観的にありのままの状態を伝える」ということと、「(まだ)感情や自身の思いを乗せない」の2つに集約されます。