われわれは数カ月前、ドナルド・トランプ米大統領が国防総省に対し、アフガニスタン、ドイツ、韓国からの米軍撤退を強く求めているとの情報を得た。各方面に取材すると、アフガンを注視するようアドバイスを受けた。今年は大統領選挙があるため、他の2国の駐留部隊は安泰だということだった。
それは誤った判断だった。トランプ氏はその後、ドイツ駐留米軍3万4500人のうち9500人の削減を命じた。そしてウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は17日、在韓米軍についてもトランプ氏が同様の措置に踏み切る可能性があると報じた。このリークに交渉のための脅しの意味合いがどの程度含まれているのかは知る由もない。ただ、国家安全保障にかかわるトランプ氏の案としては、昨年アフガンの反政府武装組織「タリバン」をキャンプデービッドの米大統領山荘に招待する案を示して以来最悪のものだ。
朝鮮半島には米軍兵士2万8500人が駐留している。その戦略上の主目的は北朝鮮に対する防衛だ。しかし在韓米軍には、米国の安全保障上の利益を守る役割や、中国の脅威から友好諸国を守るという米国の決意の強さを周辺地域に示す役割もある。