ぽつりぽつりと水滴が漏れ続けるのには慣れてしまいがちだが、余りに長いこと放置すれば、いつかダムは崩壊する。欧州連合(EU)は米ハイテク大手に対する以前からの締め付けを一層強めつつある。EUと米国の税制を巡る対立はいま、不安定な休戦状態にあるが、それも終わりを迎えるリスクが高まっている。投資家は衝撃に備えるのが賢明かもしれない。先週、3つの展開があった。企業が「スマート」端末で集めたデータの使用法について、EU競争法違反がないかどうかに関する新たな調査、欧州市民の個人情報を米国に保管することはできないとする裁判所の判断、そしてもう一つ、表向きは米国に有利に見える判断があった。その判断とは、EUがアップルに対し、アイルランドの追徴課税130億ユーロの支払いを命じた2016年の判断を覆すものだった。