電気自動車(EV)メーカー、米テスラの時価総額は、足元の株価上昇で米産業界の巨人の多くを追い抜いたものの、大きな節目の1つはまだ達成できずにいる。SP500種指数への採用だ。テスラ株は年初から3倍以上に上昇し、時価総額は2910億ドル(約31兆2000億円)に達した(ファクトセット調べ)。テスラ株を押し上げているのが、22日引け後に公表する4-6月期(第2四半期)決算への期待だ。アナリストの間では、4-6月決算が想定外の黒字となり、SP500種の採用要件を満たすとの見方が出ている。SP500種の採用銘柄になるには、直近四半期を含め、4四半期の合計損益が黒字となる必要があるが、テスラはまだ、これを達成していない。ファクトセットの調査では、テスラは4-6月期に小幅な赤字になると予想されている。だが、テスラがこのところ黒字を確保していることに加え、新型コロナウイルスの流行で生産停止に追い込まれたものの、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が国内工場の稼働再開に積極的に動いていることで、決算内容をより楽観視するアナリストもいる。