加えて、不正資金に絡んで兄が逮捕された李大統領が、任期終了後の自身や関係者の身を案じて、国民の信頼を回復しようとする狙いもあったとされる。

 こうした経緯や分析を見るにつけ、日本人にとって、やはり韓国側の主張は理不尽に思えて仕方がない。同時期に再燃した中国との尖閣諸島問題も相俟って、人々の間には怒りのマグマが噴出している。

経済的に困るのはむしろ韓国?
盛り上がる「韓国制裁論」の論拠

 気になるのは、今回の騒動が日本と韓国の経済パートナーシップに与える影響だ。これまで日本は、両国間における政治問題が経済に飛び火する事態を極力避けようと努めてきた。しかし、いよいよ国民の堪忍袋の緒も切れたということか、最近では「韓国制裁論」とも言うべき強硬な論調が目立ち始めた。

 その背景にあるロジックは、「日韓関係が冷え込んだら、経済的に困るのは日本ではなく、むしろ韓国のほうだ」というもの。経済評論家の三橋貴明氏をはじめ、一部の専門家がメディアで唱えている主な論旨は、おおむね以下のようなものだ。

・2011年の日本の対韓国輸出額はGDP比でわずか1.12%、輸入は同0.68%、貿易黒字は同0.45%程度に過ぎない。この数字は、重視すべきものだろうか。韓国との貿易が停滞しても、日本経済はそれほど影響を被らないはずだ。

・工業品輸出国となった韓国は、自動車や家電分野で世界的にシェアを伸ばしているが、もともとは日本をはじめとする先進国の技術供与によって成長してきた。今も日本への依存体質は変わっておらず、製品づくりは主に日本製の中間財(部品、素材)や資本財(製造機械)の輸入に頼っている。

 2011年における韓国の対日貿易赤字は約2兆1000億円と巨額であり、自国の輸出増加に比例して対日赤字が増加する構造になっていることからも、韓国の日本依存度の高さがうかがえる。日本は経済制裁の一環として、韓国への中間財、資本財の輸出に対して大幅に課税すればよいのではないか。