――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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砂漠では、オアシスに人が群がるものだ。
金先物相場は27日、過去最高値を更新した。年初来の上昇率はこれで27%に達し、リターンが1%未満にとどまるS&P500種指数を大きく上回っている。金商品は収入はもたらさないが、物価上昇に対するヘッジを提供する。つまり、足元の値上がりをけん引しているのは、主に金融刺激を背景とする物価連動国債(TIPS)利回りの低下と、最近のインフレ期待の上昇だ。また、米国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者が再び増加していることを受けたドル安も、ドル建てで取引されるコモディティー(商品)価格を反射的に押し上げている。