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債券王も参考にする
銅/金レシオ

 市場でリスクテイクの指標として「銅/金レシオ」が取り上げられることがある。

 景気が回復すれば銅価格が上昇し、安全資産である金が売られる一方、景気が減速すれば銅が売られ、金価格が下落するというロジックであり、債券王ジェフリー・ガンドラック氏が参考にしている指標の1つだ。

 考え方としては納得感があり、市場ではこの指標を用いるケースも少なくない。

 銅は需要動向・価格動向に応じて生産調整が行われるものの、価格維持を目的として増減産が行われることはほとんどない。

 もちろん、最大消費国である中国は景気刺激のために財政出動を行い、それが銅の需要を押し上げることはあるが、あくまで需要創出が目的であり、価格自体が政策実施のトリガーになっているわけではない。

 そのため、銅の価格が下落したとしても価格押し上げのための金融緩和が行われることはなく、銅の価格は現在の経済状態を反映したものになりやすい。銅が「ドクター・カッパー」といわれるゆえんである。

 なお、銅の価格が最大消費国である中国の経済動向を反映した水準になりやすいことは、コメントの必要はないだろう。