テンセントホールディングスPhoto:SOPA Images/gettyimages

 中国ネットサービス大手テンセントホールディングスがニューヨーク市場に上場する検索エンジン大手の捜狗に対し、約21億ドル(約2200億円)で未保有株を取得し、非公開化することを提案した。実現すれば、足元で広がっている中国企業による米市場撤退がさらに加速する可能性がある。

 米市場上場の中国ネット企業を巡っては、ここ数カ月にディールが相次いでいる。複数の企業が買収提案を受けているほか、アリババグループを含む大手3社は、香港での重複上場に踏み切った。

 アナリストによると、重複上場や買収はいずれもバリュエーションの押し上げが期待できるほか、米中関係の緊張増大による影響から企業を守る手段になるとみられている。買収提案を受けた企業にとっては、後に香港か本土市場で新規株式公開(IPO)を実施することで、評価額の引き上げにつながる可能性がある。テンセントは買収案で、捜狗の再上場計画には触れていない。