追い詰められた時に必要なのは
具体的な救済の選択肢では

 進行性の筋委縮症を持ち、「車椅子の歌姫」として知られる朝霧裕さんは、生活保護で24時間介助を受けながら単身生活を営み、シンガーソングライターとしての活動も続けている。朝霧さんは約10年前、ヘルパーから「生活保護で一人暮らしなんてゼイタク、施設に入ればいいのに」といった言葉での虐待を受け続けた経験がある。

「もしもその時、ツイッターで『そんなに辛いなら楽にしてあげましょうか』という人に会っていたら……追い込まれて正常な心理状態ではない時に『死なせてあげる』と言われていたら……どうなっていたか分かりません」(朝霧さん)

 幸い、介護事業所が事実を重く受け止めて誠実な対処をしたため、朝霧さんは虐待から解放された。立ち直った朝霧さんは、相談先の確保を心がけた。2013年には、同じ地域で活動する社会運動家の藤田孝典氏に「もしもの時は助けてほしいです」と依頼したという。

「介助者でも友人でもなく、『この人に相談したら助けてくれるかも』と思えるプロとつながることで、私は助かりました。また、2012年から障害者虐待防止法が施行されていることも、安心につながっています」(朝霧さん)

 筋ジストロフィーを持つ小澤綾子さんは、林さんについて、「その状況だったら、私も死にたくなるかも」という。小澤さんは、情報大手に勤務する会社員であり、家庭を持つ兼業主婦であり、車椅子で朝霧さんとともに音楽活動を行うシンガーソングライターでもある。