また、職場とは違う場所にいても、嫌な経験をしたときに職場に飾られていた花と同じ色を見たり、同じ臭いを嗅いだりしただけで、フラッシュバックが起き、大きく気分が落ち込んでしまう。その刺激がどんどん広がっていくのです。ただし、刺激の原因となるものと関連性のないシチュエーションでは気分が落ち込みません。

挫折を知らない人は要注意
“うつ”とは違う脳のメカニズム

――そうした拒絶過敏性が起きやすいのは、どんなタイプの人ですか。

 典型的なタイプは2つあります。

 第一に、プライドが高く自己愛型の人です。たとえば、偏差値の高い学校を出ており、いつもトップを走ってきて、誰かに褒められていないと気が済まないような人。第二に、気が小さくて人の顔色ばかりうかがっている人。

 こうした人たちが、ささいな挫折の経験で拒絶過敏症になり、軽傷のPTSDに似た症状に陥る可能性が高いです。

――拒絶過敏性によるフラッシュバックは、脳のどのような働きによって起きるのですか。

 脳の前頭葉機能の低下が背景にあります。本来前頭葉は、感情の起伏や怒りを司る扁桃体、海馬などが激しく活動するのを防ぐ役割を持っていますが、それが抑え切れなくなって、激しいフラッシュバックが起きるようになる。

 また、前頭葉の機能が低下すると、眠気が出て、疲労感を覚え、何もしたくなくなってしまう。うつの症状と似ているため、これも混同されやすいところですね。

――こうしたメカニズムがよくわからないまま、世間では「新型うつ」という言葉でひとくくりにされているわけですね。