近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。特に、夏休みは、子どものモチベーションを上げ、学習定着率の高い勉強法を実行すれば、逆転のチャンスにもなります。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、子どもの「やる気」に火をつけ、学習定着率を飛躍的に高める「野田式勉強法」の一部をご紹介します。
子どもと一緒にニュースを見ているときには?
親のちょっとした問いかけによっても、子どもの成績の伸びは大きく変わってきます。
たとえば、一緒にニュースを見ているとき。悲惨なニュースを見て「大変ね」「かわいそうね」と感想を述べるだけでは、学びにはつながりません。「しゅんくんはどう思う?」「りさちゃんならどうする?」など、子どもの意見を聞いたり、解決策を考えさせたりする質問を積極的にしていきます。このような日常生活の質問で、子どもがニュースを理解しているか、それはどの程度なのかも確かめることができます。
日常的な問いかけが重要なのは、それが子ども自身の内的な問いかけへとつながるからです。問題を解いているときに「なぜこうなるんだろう?」「どうすればいいのだろう?」と自分自身に質問できるようになれば、おのずと学びは深まります。
TVドラマで、国語の読解の訓練ができる
これはニュースだけではありません。連続ドラマなどはいつも、いいところで終わってしまうものです。そのときに「次回はどうなると思う?」と聞いてみましょう。
つまり、展開を読ませるのです。これは国語の物語文の読解にもつながります。映像のほうが、登場人物の感情や動向を読み取るための情報が、文章より多いものです。物語文が苦手なお子さんにとっては、ドラマは登場人物の気持ちや動向を読み取る練習にもなるのです。親御さんの「次回はどうなると思う?」という問いかけが、より深くストーリーを理解するきっかけになるのです。
親の役割は子どもに質問し、教えてもらうこと
すでにお話ししているように、授業に関する質問をするのもいいと思います。そのときのポイントは、基本的にYES/NOで答えられる質問はしないということです。ただ、最初だけはOK。「今日の授業わかった?」と聞いて、「うん(YES)」と答えたら、「何を習ったの?」という次の質問に、答えないわけにはいきませんから(笑)。
気をつけるのはお子さんの意見や考えを否定して、「正解」を言ってしまわないようにすること。せっかくの意見を否定されたら、答える気がなくなってしまいます。お子さんの説明がわからないときには、「じゃあ次はもうちょっと詳しく説明してね」と伝えます。すると、次の授業をさらに真剣に聞いてきてくれるようになります。
中学受験における親の役割は、勉強を教えることではありません。日常生活の中で子どもに質問し、子どもに教えてもらうことなのです。