近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。特に、夏休みは、子どものモチベーションを上げ、学習定着率の高い勉強法を実行すれば、逆転のチャンスにもなります。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、子どもの「やる気」に火をつけ、学習定着率を飛躍的に高める「野田式勉強法」の一部をご紹介します。

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授業ノートを取る意味とは……?

 塾などでノートを取る必要というのは、どれくらいあるのでしょうか? 私は、ノートを取らなければ忘れてしまうくらいなら、取る必要はないと考えています。一度の授業で先生が生徒に伝えたいことは、せいぜい三つくらいしかありませんし、ほとんどの内容はテキストに書いてあります。

 ノートの役割は、そのノートを後で見たときに、「先生の講義を思い出すことができる」「しっかり授業の復習ができる」ということです。ですから、ノートを取るなら、その言葉から、頭の中の情報を引き出せる、トリガーとなるようなポイントだけを書くようにします。これは直前期の復習のための参考書となり、受験当日に持参する「お守りノート」にもなります。

子どものノートで授業の理解度がわかる

 皆さんはお子さんのノートを見ているでしょうか? お子さんのノートを見ると、様々なことがわかります。

 文字が乱れていたり、図がゆがんでいるのは「ノートを取るのに必死」ということ。板書を見ながら手元のノートを見ずに写している可能性もあります。ホワイトボードを写すことに精一杯で、授業についていけてないのです。

 また、女の子によくある「きれいすぎるノート」も要注意。たくさんの色を使った詳しすぎるノートは、「ノートを書くことが楽しい」ということ。こちらも授業の内容が頭に残っていない可能性があります。きれいなノートをつくることが目的になっているからです。

 通常、学校でも、塾でも、子どもたちに「授業を聞くこと」と「板書を写すこと」という二つの作業を同時にさせています。しかし、これらを同時にできる子というのは、実はそんなに多くありません。これは大人も同じです。たとえば弾き語りが難しいのは「弾く」と「歌う」を同時に行うから。授業を聞きながら板書するというのは、ピアノを習い始めた人が、いきなり弾き語りをするほどの難しさであると考えてもいいでしょう。

 私は生徒に、解説をしているときには鉛筆を持たせないようにしています。解説をし終えた後、生徒は板書した内容をノートに写します。まずは解説を聞き、理解することに集中する。そしてその後、ノートにポイントを書き写す。このように作業を分けることで、「聞く」「写す」というそれぞれの過程で、理解することに集中できるのです。

「ダブルリピート」で、得点力がつく!

 この方法であれば、ノートにポイントを写している間に、生徒は頭の中で先生の解説をリピートすることになります。つまりその場ですぐに、復習することができるのです。さらに家に帰って、そのノートを見ながら親に説明するなどしてリピートすれば2度目の復習になります。これが「ダブルリピート」です。1日のうちに2回復習できれば、定着度はさらに高まります。塾に通っていると、授業と宿題をこなすだけでいっぱいいっぱいで、なかなか復習の時間がとれません。聞いてから、ノートを取る。ノートを使って説明する。たったこれだけのことですが、ただ聞いているだけの授業とは比べものにならないくらい、生徒の身になるのです。

 そしてお子さんに必要なのは、「理解(授業)→定着(復習)→得点(演習)」の三つのステップで成り立つ「学習サイクル」を確立させることです。まずは授業をしっかり理解し、ダブルリピートによる復習でその内容を定着させます。そして実際の過去問などで「得点」する力をつけていきます。知識を頭に入れても、それを使って問題が解けなければ、得点には結びつきません。繰り返しの復習と演習が必要なのはそのためです。

 まずはお子さんのノートを見てみましょう。そして、そのノートに書かれていることを理解しているかどうか、質問をしてみてください。まともに説明できないとしたら、お子さんに授業についていくのがつらくないかどうか、聞いてみてください。学習サイクルにおける最初の「理解」でつまずいているお子さんが、実際にはとても多いのです。

 もし「理解」から先に進めていないのなら、塾へ相談してみます。板書を書き写す時間の余裕をもらうなど、何らかの方法を用いて「理解」に費やすための時間を確保しなければなりません。改善されないなら、クラスの変更や転塾も含めて検討したほうがいいかもしれません。

 お子さんが授業中にすることが「板書を写す」ことだけであるなら、その授業を受けている意味はないからです。