超一流リーダーに「内向型人間」が多い理由
プレゼンが得意な人がリーダーとしての能力も高いとは限りません Photo:PIXTA

社交性があり、自己主張が得意な「外向的な人間」が良いリーダーだといえるのか。実は有能なCEOたちには、それとは逆の“内向型”が多いという。彼らにはどんな強みがあるのか。TEDで注目を集めたスーザン・ケイン氏の著書『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』から、一部を抜粋して紹介する。

口が立つリーダーは
本当に優秀なのか?

 雄弁さが洞察力の深さと相関しているのならば、なんの問題もないが、研究によればそんな相関関係は存在しない。たとえば、こんな研究がある。二人の大学生に数学の問題を一緒に解かせ、その後各自の知性と判断力を自己評価させた。早口でしゃべり、発言回数も多い学生のほうが、自分の発言が問題を解決するうえで物静かな学生の発言よりも貢献していなくても(さらにSATの数学の点数が劣っていても)、一貫して評価が高かった。また、起業のための戦略を各自で練った場合でも、彼らは自分の独創性や分析力を高く評価した。
※大学進学適性試験

 カリフォルニア州立大学バークレー校のフィリップ・テトロックが実施した有名な実験がある。テトロックはテレビで解説する専門家たち――かぎられた情報を元に長々としゃべることで生計を立てている人々――による経済や政治の予測が当たる確率は素人の予測が当たる確率よりも低いことを、実験から発見したのだ。そのうえ、的中率がもっとも低いのは、もっとも有名で自信満々な専門家だった――つまり、HBS(ハーバード・ビジネス・スクール)の教室で生まれながらのリーダーとみなされるような人々だ。