昔々、通勤電車や会議室、手荷物ターンテーブルがまだ使われていた時代、テクノロジーの神はわれわれにタブレット端末と間違えそうなくらい大きなスマートフォンを授けた。そうした「ファブレット」と呼ばれるスマホは、移動の多い人たちにとってデスクトップ並みの生産性をもたらしてくれる可能性を秘めていた。やがて、唯一の移動は居間からトイレという期間が人類史上最も長い年が訪れ、人々は携帯端末にそれほどの性能が必要なのか疑問を持ち始めた――。サムスン電子が5日に発表した「ギャラクシーノート20」と「ギャラクシーノート20ウルトラ」が直面しているのが、まさにそうした問題だ。この基本価格1000ドル(約10万6000円)の6.7インチおよび6.9インチのスタイラス付きアンドロイド端末には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の優れたスマホの特徴が全て備わっている。しかし、今はどうか? 実際のコンピューターが常に近くにあるときに、ポケットにコンピューターは必要ない。そもそも筆者が毎日着ている快適なストレッチパンツにはポケットがない。それに、今は誰もが懐に余裕がない。