新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する(こちらは2020年10月23日の記事の再掲載です)

「ゲーム終わり!」と叱っても聞かない子に効くスゴい一言Photo: Adobe Stock

ゲームには「メリット」もある

 時間を忘れてのめりこむ子どもが多く、もっぱら恨まれ役のゲーム(テレビゲーム、コンピュータゲーム)ですが、世界ではその教育効果が研究され、さまざまなメリットも明らかになってきています。

 たとえば「マインクラフト」というゲームは、世界中の教育現場ですでに幅広く活用されています。レゴのようなブロックを使い、好きなものをつくっていくゲームですが、レゴと違ってつくったものを自由に動かせる楽しさがあります。

 さらに自分独自の世界をつくっていく過程で、木を切る斧や土を掘るスコップなどの道具をつくったり、効率的に材料を集める方法を考えたりするなど、さまざまな発想を生み出す創造力や問題解決力が身につくといわれています。

 また、世代を問わず人気の高いアクションゲームについては、スイス・ジュネーブ大学の神経心理学者、ダフネ・バヴェリア教授が、集中力や計画性、批判的思考力、反射神経、立体の認知能力(頭の中に思い描いた物体を回転させる力)などを強化する効果をもたらすとしています。

 アメリカではゲーム開発者と教育の専門家が連携し、ゲーム学習を基本にした学校づくりもすでに行なわれています。

 ゲームと教育に関する研究にくわしい、東京大学大学院情報学環の藤本徹准教授は、「親がゲームを漠然と不安視するよりも、むしろ積極的に関わることで、子どもは依存に陥ることなく、ゲームがもたらすよい影響を受けることができる」といっています。親が子どもの「ゲーム」とうまくつきあうにはどうすればよいでしょうか?

親の目の届く場所でやる

 親の目が行き届く場所で、子どもがゲームをしている状態をしっかりと見守るようにします。「端末は自分の部屋に持ち込まない」「端末と充電器はリビングに置き場を決める」というルールを徹底します。

レーティングを活用する

 ゲームには、暴力的、性的なシーンが含まれることがあり、子どもには不適切なものも数多くあります。

 特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)という組織が、ゲームソフトの表現内容にもとづいて対象年齢等を表示しているので、子どものゲームを選ぶ際は「CERO A」(全年齢対象)という、最も基準が厳しいものを選ぶようにします。

課金ゲームに注意する

 オンラインゲームやスマホゲームでは、無料とうたいながら、射幸心をあおってアイテムを買わせるようなものがあります。子どもが親のスマートフォンやタブレットを使ってゲームをしていると、気づかないうちに課金してしまうこともあるので、注意が必要です。