トランプ政権は、中国の一部IT(情報技術)企業との取引を禁止するなど、中国政府に対して多方面から強硬姿勢を強めている。場合によっては、国家の安全保障を守る上で必要なことかもしれない。だが、政権が先週打ち出した中国企業を米国の証券取引所から締め出す可能性のある方針は、米国民に損害を与え、中国政府の思うツボになりかねない。  米議会上院は5月、中国企業が自社の独立監査へのアクセスを米国の公開会社会計監査委員会(PCAOB)に許可しなければ、米取引所での取引を禁止する法案を可決した。大統領の金融市場作業部会は先週、無数の欠陥があるとした上で、この法案を支持した。