ドナルド・トランプ米大統領の8日の決断について良いニュースは、ナンシー・ペロシ米下院議長が示した何兆ドルもの負担を強いる降伏条件への屈服を免れたことだ。悪いニュースは、トランプ氏が大統領令を出してバラク・オバマ前大統領の手法を踏襲したことである。大統領令のうち1つは法律を拡大解釈するものであり、将来の進歩派大統領が間違いなく前例として持ち出すだろう。トランプ氏の行動は、ペロシ議長とチャック・シューマー上院民主党院内総務との協議が7日に決裂したことを受けたものだ。大統領が民主党側の何兆ドルもの規模の脅迫に屈するのではなく、交渉決裂の道を選んだのは正しかった。民主党側は全米各州への8000億ドルの支援や、就労意欲をそぐ週600ドルの失業給付上乗せ支給を2021年まで延長することを要求している。また、企業や非営利団体の新型コロナウイルス感染症絡みの法的責任を免除する施策について、譲歩を拒否している。さらに、新型コロナとは無関係な、州政府に対する選挙関連の義務付けを求めている。
【社説】トランプ氏の大統領令に潜む問題点
ペロシ氏の政治的わなは回避したが、オバマ氏と同様の手法を使った大統領
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