中国の習近平国家主席の側近は先月、国内の公安機関を巡る毛沢東式の粛清を呼び掛け、「剣を内へ向け、骨から毒をそぎ落とす」時が来たと言明した。たちまちのうちに粛清が始まった。号令が掛かってから1週間とたたずして、中国共産党当局は警察と司法関係者少なくとも21人の調査に着手した。法執行をつかさどる共産党の上部委員会が引用したメディアの集計で明らかになった。それ以降、これまででは最も高官レベルの上海の警察トップや表彰経験のある党幹部らなど、さらに十数人が追及されている。習氏は今回初めて、強力な公安機関に対する徹底した組織的粛清に踏み切った。担当官らは「絶対的に忠実で、絶対的に純潔な、絶対的に信頼できる」警察と検察官、判事を求めるとしている。習氏がこうした方針を推進する様子は、対米関係の急速な悪化に歯止めをかけようとする中、国内で直面する厄介な懸念を浮き彫りにしている。