「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「やれること」があっても、「やりたいこと」が見つからない
頼まれたことに、誠実に応える――それは間違いなく、美徳である。
けれど、それが続きすぎると、「評価される役割」に過剰適応し、いつしか“私のやりたいこと”が霞(かす)んでいく。
「やれること」は確かに増えている。なのに、「やりたいこと」が言葉にできない。
人生の舵を、他人に取られてしまうと、「やれること」「やりたいこと」のギャップは徐々に大きくなるのだ。
この違和感は、能力の有無によるものではない。
本質は、「自分が何者か」を――自分の言葉で、語れていないことにある。
対策「一点突破からの汎用性」を作ろう
あなたの器用さは、まぎれもなく才能だ。人の意図を読み、期待に応え、状況に順応する力は――どこに行っても通用する。
けれど、その力を他人の都合に合わせて使い続ければ、やがて“便利な人”で終わってしまう。
今、キャリア市場が求めているのは、「何でもできる人」ではない。
必要とされているのは、1つの領域を深く掘り、そこから汎用性を展開できる人――“軸”を持った器用さである。
だからこそ、まずは1つ、自分の得意領域を明確にしていくこと。
手がかりは、「過去に評価された経験」や「誰かに感謝された瞬間」だ。
それが、すべてのスキルを再配置するための起点になる。
大切なのは、社内で便利だったかどうかではない。
市場で「なぜ、あなたなのか」を語れることだ。
その問いに答えるために必要なのは、次の3つだ。
・「何を自分の軸とするのか」
・「誰にとって価値があるのか」
・「どの場面で発揮される力なのか」
これまで、求められるたびにしっかり応えてきた人ほど――一度立ち止まり、自分の側から問い直してみてほしい。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)