再雇用契約が65歳で終わり、年金だけの生活になると、もう1度収入がダウンする。公的年金の額は現役時代の収入を反映するため、減少幅は人によって異なるが、40年前後厚生年金に加入していたとすると、180万~240万円くらいだ(老齢厚生年金と基礎年金の合計額)。

 私は60歳と65歳の収入変化を「収入ダウンの崖」と呼んでいる。緩やかな下り坂ではなく、ある月から、まるで崖から落ちるように給与や年金の受取額が減るからだ。

 私は日頃、老後生活の準備として、「収入の高い59歳までは、頑張って老後資金を貯めましょう。60歳の『収入ダウンの崖』以降は、貯蓄はしなくてもいいので、その代わり『収支トントン』を目指し、それまでに貯めた貯蓄や退職金を減らさないように心掛けること。老後資金を取り崩す生活をするのは65歳で完全リタイアしてからにしましょう」とアドバイスしている。

 再雇用後の収入が減ったからといって、60歳から退職金を取り崩す生活をすると、5年間で数百万円も貯蓄を減らす事態に陥る。これを避けるために「せめて収支トントンを目指す」ことを提唱している。